数年前に書いた原稿のメモを発見したので掲載しておきます。 この文章は2005年10月に発表したものです。 現在の状況とずれているものもございます。 ご了承の上閲覧ください。 第9回「なぜ避妊や去勢をした方が良いのか」 「手術を受けたほうが良いのはわかっているけれど、かわいそうで決心がつかない」 飼い主さんからしばしば耳にする言葉です。 現在の獣医療では「手術しない方がかわいそう」であるとされていますが、 そのことについて今回は考えてみましょう。 なぜ手術をした方が良いのか 一番の理由は手術を受けたほうが平均寿命が長いという事です。 人間の生理のように頻繁に体調不良を起こすことはありませんが、 それだけの身体的ストレスを受けている事に変わりありません。 この事から開放されるという事が長寿につながっていると考えられています。 第2の理由として、性ホルモンの影響による病気が少なくなるという事が挙げられます。 特に高齢になってから発病し、飼い主さんも本人も大変な苦労をする病気が多いのです。 「去勢さえしていれば」と、この時点で嘆く飼い主さんが少なくありません。 手術を受ければ良くなるものもありますが、 高齢でしかも病気の症状のため、手術をするのにも危険を伴う場合が考えられます。 しつけの観点において去勢を考える場合もあります。 性ホルモン自体が問題行動を引き起こすのではないそうですが、 こういった行動をエスカレートさせたり、楽しい気持ちにさせてしまうことに関係しているという報告があります。 そのため手術をした方がしつけ易いといわれています。 どういう手術をするのか 去勢手術(おす)では精巣を、避妊手術(めす)では子宮と卵巣を摘出します。 そのため手術後は性ホルモンの分泌がほとんど無くなります。 入院日数や術後の投薬、抜糸までの注意点などは各病院で異なりますので、 かかりつけの獣医師にきちんと説明を受けてください。 手術を受けて問題になること まず、絶対に子供は作れません。 これは、家族でしっかりと相談していただいて解決してください。 次に、いままで性ホルモンから受けていたストレスがなくなるためにエネルギーが余りだします。 つまり、太り易くなるという事です。 ですが、これは与える食餌の量によって管理できるので、 飼い主さんが解決してあげることができる問題です。 生殖器を摘出することに抵抗を感じてかわいそうと思う気持ちもわかりますが、 人間の家族の中でより長く一緒に暮らす為の手術です。 しっかりと獣医師の説明を受けて、家族でこの事について一度話し合ってみましょう。 第一回「ちゃんとみていますか?」 第2回「予防医療-1 ワクチンってなに?」 第3回「予防医療-2 正しいフィラリア対策」 第4回「吐く(病院に連れて行くべきかどうか)」 第5回「咳(咳をしたら様子見をせずに病院へ)」 第6回「夏休みに気をつけること」 第7回「食餌(ごはん)のあげ方」 第8回「ノミから身をまもる」 第9回「なぜ避妊や去勢をした方が良いのか」 第10回「猫の膀胱炎」 第11回「肥満対策をしましょう」 第12回「異物の誤嚥」 第13回「歯科検診を受けましょう」 第14回「愛犬とのお散歩」 最終回 「彼らは何も言わないけれど・・・」 |
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