数年前に書いた原稿のメモを発見したので掲載しておきます。 この文章は2005年12月に発表したものです。 現在の状況とずれているものもございます。 ご了承の上閲覧ください。 第11回「肥満対策をしましょう」 もうすぐクリスマス、そして年末年始と街は華やぎ、どこかせわしない雰囲気を醸し出します。 とかく我々は忘新年会や帰省など健康管理に気をつける時期でもありますが、 暴飲暴食からの体形の変化が気になる所です。 犬や猫の肥満も人間と基本的には同じです。 お互いに気の緩めすぎに注意しましょう。 BCS? まず、肥満なのかを知っておく必要があります。 実は標準よりも痩せているのに肥満対策をしていた、という事は避けたい事態です。 BCS(Body Condition Score)という評価基準があります。 これは特別な検査を必要とするものではない客観的な評価になります。 動物病院に行ったついでに評価してもらって、我が子の体型について知っておきましょう。 肥満=カロリーオーバー ごく簡単に言うと脂肪が多くついている体型のことです。 脂肪はあまったカロリーを蓄えておく形ですので、 日々の生活においてカロリーオーバーである事が原因になります。 カロリーの足し算引き算を考えてみましょう。 摂取カロリーとは食べる量のことです。 これが多すぎると過剰摂取というカロリーオーバーになります。 人と暮らしている動物の場合、食べる量というのは与えられる食餌の量です。 ですから、過剰摂取とは飼い主さんの責任といえます。 一方カロリーの消費という事を考えると、あまりピンとこないかもしれません。 基礎代謝といって生きていく為に必要なカロリー量があります。 これよりも摂取カロリーが少ないと痩せすぎであったり、栄養不足が懸念されます。 これに運動消費量というのが加わりますが、これはそれぞれの生活で行なう運動によるカロリー消費です。 活発に動く子やあまりはしゃがない子などいろいろだと思います。 犬の場合散歩に連れ出すという事が出来ますが、 この運動消費量を調節するのは簡単ではありません。 対策=食餌改善を中心に そのため、犬猫における減量作戦は食餌の改善が第1選択となる事が多いのです。 まず試みる必要があるのは、食餌量の把握という事です。 肥満の子の飼い主さんに話を聞くと、 どのくらい食べているかわからない場合がほとんどです。 一日に何をどのくらい与えているのかがわかったら、どのくらい減らす必要があるのかを考えます。 食べている餌の種類によって変わりますが、 この段階では減量用のものに切り替える必要はありません。 今食べているものを減らしても、体重に変化がない場合には減量用のフードを試してみるといいかもしれません。 また肥満対策用・減量用のフードは、 普通のフードよりも多く食べてもカロリーがオーバーしにくいので、 食欲の旺盛な子では管理しやすいかもしれません。 動物病院では獣医師処方による減量用のフードがありますので、 市販の物で効果のない場合には相談してみるといいでしょう。 適切な食餌と、しっかりとした運動。基本は人間と一緒ですが、 その管理は飼い主さんがしなければなりません。 肥満を解消して、無駄な病気や怪我を予防しましょう。 第一回「ちゃんとみていますか?」 第2回「予防医療-1 ワクチンってなに?」 第3回「予防医療-2 正しいフィラリア対策」 第4回「吐く(病院に連れて行くべきかどうか)」 第5回「咳(咳をしたら様子見をせずに病院へ)」 第6回「夏休みに気をつけること」 第7回「食餌(ごはん)のあげ方」 第8回「ノミから身をまもる」 第9回「なぜ避妊や去勢をした方が良いのか」 第10回「猫の膀胱炎」 第11回「肥満対策をしましょう」 第12回「異物の誤嚥」 第13回「歯科検診を受けましょう」 第14回「愛犬とのお散歩」 最終回 「彼らは何も言わないけれど・・・」 |
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