数年前に書いた原稿のメモを発見したので掲載しておきます。
この文章は2005年4月に発表したものです。
現在の状況とずれているものもございます。
ご了承の上閲覧ください。

 
第3回「予防医療-2 正しいフィラリア対策」


 毎年、4月の連休のあたりから「蚊」を目にすることが多くなります。
そろそろフィラリア予防を、と思い出す方も多いと思います。

フィラリアというのは、蚊が運んでくる寄生虫です。
犬の血を吸うときにフィラリアの子虫が感染します。
この子虫は成長すると心臓に寄生して犬の命をおびやかします。
恐い病気で、予防をしなければ50%の犬が感染するといわれています。
つまり、2年間予防しないと75%、3年で・・・となります。

ただし、月に一度の投薬で確実に予防できる病気でもあります。
ここで再確認しておきたいことは、実際に飲ませているのは「予防薬」ではなくて「駆虫薬」であるという点です。
犬の体内に入った子虫を駆虫することでフィラリア症になるのを防いでいるのです。
ですから、薬を使っていても蚊には刺されるし、フィラリアの子虫も体内には入ってきます。

このため、蚊が発生する前から予防することは意味がありませんし、
蚊がいなくなった11月〜12月でも投薬しなければならないのです。
10月くらいで薬をおしまいにしてしまうと、そのあとに感染した子虫は成長してしまい、
予防としては全く無意味なものになってしまします。

また、この薬を使うためには、投薬開始の今の時期に検査を受ける必要があります。
フィラリアにすでに感染している子に間違って投薬することは危険を伴うためです。
 
前回も書きましたが、特に予防医学においては、飼い主さんの理解と適切な計画が重要になります。
わからない点は獣医に相談し、しっかりと責任を果たすようにしましょう。

フィラリア予防のポイント
春にフィラリア検査を受ける
毎月1回予防薬を投与する
最後の投薬は、蚊がいなくなった後になるようにする


次回は少し病気のことについてふれてみたいと思います。



第一回「ちゃんとみていますか?
第2回「予防医療-1 ワクチンってなに?
 第3回「予防医療-2 正しいフィラリア対策
第4回「吐く(病院に連れて行くべきかどうか)
第5回「咳(咳をしたら様子見をせずに病院へ)
第6回「夏休みに気をつけること
第7回「食餌(ごはん)のあげ方
第8回「ノミから身をまもる
第9回「なぜ避妊や去勢をした方が良いのか
 第10回「猫の膀胱炎
 第11回「肥満対策をしましょう
 第12回「異物の誤嚥
第13回「歯科検診を受けましょう
第14回「愛犬とのお散歩
最終回 「彼らは何も言わないけれど・・・

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