〜予防の話@〜
やらなければいけない事、わが子にやってあげられる事。
知らなかったでは寂しい話です。
もう一度復習しておきましょう。



○狂犬病ワクチン
毎年(4〜6月)一回::注射
狂犬病は現在日本国内での発生は認められておりません。
狂犬病という病気は人間もふくめて哺乳類全般に感染し、発症した場合ほぼ致命率100%という怖い病気です。世界的には毎年数万人が命を落としている病気です。
この病気が国内に再侵入してきた場合に備えて、犬の飼育に当たっては毎年狂犬病ワクチンの接種ならびに自治体への登録が義務付けられています。

4〜6月が狂犬病予防月間です。
区への登録が済んでいる方は区からワクチン接種と登録の更新を通知するハガキが届くはずです。
集合注射の場所や日程も記載されているのでそちらを利用してもいいと思います。

当院は江東区保健所と委託契約しております(2010年4月より)。
当院窓口で各種登録手続きを行うことが出来ます。詳しくはお問い合わせください。



○混合ワクチン
毎年一回::注射
ワクチンに関しては、いろいろなサイトで詳しく解説されているようです。
当院の考えを少し触れておきます。

犬の混合ワクチン
犬同士で感染する病気に対して、発症した場合、重篤な病気になってしまうものを予防するためのものです。
当院では、レプトスピラに対する予防も含まれる8種混合をお勧めし、提供しています。
*レプトスピラ症はげっ歯類の糞尿を介して伝播し、人間にも感染する人畜共通感染症です。
地域的に川や大きな公園がありネズミが多く確認されている事、室内犬がほとんどで人間と密接に生活している事が大きな理由です。

猫の混合ワクチン
考え方は犬とほとんど同じです。
当院の患者さんのほとんどが室内でのみの生活ですので、3種混合で充分と考えています。
猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)感染症・猫白血病ウイルス感染症は、伴に怖い病気ですが、キャリアーである野良猫・外猫との接触がないのであれば、リスクを覚悟してまでワクチンを接種する必要はなさそうです。

副反応
体に免疫反応を起こす事になりますので、元気や食欲の低下・だるさ等の症状が現れる事は想定されるものです。
顔が腫れる・ぐったりしている・呼吸がおかしいといった重篤な症状の場合は、アレルギー反応かもしれません。すぐに病院に連絡し受診する必要があります。このようなアレルギー反応は摂取後1時間以内に見られることが多いようです。
閉院ぎりぎりの夕方の時間は避けて、午前中に来院される事をお勧めします。





○フィラリア予防
6〜12月毎月一回:投薬
フィラリアについて
フィラリアとは寄生虫の事です。蚊によって媒介されて犬の体内に侵入し、成長すると心臓に寄生します。
フィラリアの予防が普及した事で犬は長生きする事が出来るようになりました。
まだまだ都内でも蔓延しているものですので、しっかりと予防する必要があります。

フィラリアの生態
心臓に寄生しているフィラリアが子虫を産みます。この子虫はミクロフィラリアと呼ばれているもので、とっても小さな虫です。この虫は血管の中を泳いで生活しています。ミクロフィラリアは生まれた犬の中でそのまま成長する事はありません。次の段階に成長するため蚊の体内に入る機会を待っています。蚊が感染犬の血を吸うときにミクロフィラリアも蚊の中に侵入します。蚊の中でミクロフィラリアは感染子虫と呼ばれる段階まで成長します。感染子虫を体内にもっている蚊が犬の血を吸うときに、感染子虫が犬の体内に入ります。犬の中に入った感染子虫は、皮膚から筋肉や臓器の中に入っていく(組織)移行虫と呼ばれる段階へと成長します。移行虫は組織中で成長して最終的には血管に入り、心臓へと到達します。
フィラリアの予防
実際のフィラリアの予防は、すでに体の中に入ったフィラリア(組織中の移行虫)を駆除する事を目的としています。
蚊に対する忌避剤やフィラリア(感染子虫)の侵入を防ぐものではありません。
そのため、定期的(一ヶ月に一回)な駆除が必要となります。

予防の時期
犬の中に入った虫に対する薬を用いるので、予防期間は感染時期よりも一ヶ月ずれています。
感染期間とはフィラリア(感染子虫)が犬に入ってくると予想される時期の事です。たとえば東京の場合、蚊は一年中見かけます。けれどもミクロフィラリアが感染子虫に成長するのは5月から11月とされています。これは気温が関係しているようでいろいろな指標が用いられていますが、過去数年のデータと照らし合わせると、どの計算式を用いてもこの期間に当てはまっているようです。
基本は「5月中に犬に感染したフィラリア(感染子虫)を6月に駆除する」という考え方です。たとえば6月10日にフィラリアの薬を飲ませたとします。これは、その時点で組織中にいる(かもしれない)移行虫を駆除するという作業です。
6月中投薬後(この場合6月10日以降)に蚊に刺されれば、また感染子虫が侵入している可能性はあります。この時期の感染に対しては6月10日に使った薬は効果がありません。これは7月に飲ませる薬で駆除する事になります。
このように、順次過去一ヶ月間に感染して体内に存在するフィラリア(移行虫)を駆除していきます。
東京では感染期間が5月から11月ですので、実際に投薬する予防期間は6月から12月となります。

注意点
フィラリアの予防薬(駆除薬)の使用にあたって、血液検査を必要とします。
これは、すでに心臓に寄生を認める場合に用いる事で、犬自身がショックを起こしてしまう可能性があるからです。毎年の投薬開始前(5月から6月)に一回検査を受ければ充分です。血液2〜3滴で判定できる検査キットを用います。検査キットの種類にもよりますが所要時間は10分前後です。

前年の薬が残っていて手元にある・病院以外で薬を手に入れた
このような場合、ほとんどの薬はそのまま使えますが、投薬前に検査だけは受けなければなりません。
また、その薬を病院に持参し獣医師に確認してから与えるようにしましょう。



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