○フィラリア予防
6〜12月毎月一回:投薬 |
フィラリアについて
フィラリアとは寄生虫の事です。蚊によって媒介されて犬の体内に侵入し、成長すると心臓に寄生します。
フィラリアの予防が普及した事で犬は長生きする事が出来るようになりました。
まだまだ都内でも蔓延しているものですので、しっかりと予防する必要があります。
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フィラリアの生態
心臓に寄生しているフィラリアが子虫を産みます。この子虫はミクロフィラリアと呼ばれているもので、とっても小さな虫です。この虫は血管の中を泳いで生活しています。ミクロフィラリアは生まれた犬の中でそのまま成長する事はありません。次の段階に成長するため蚊の体内に入る機会を待っています。蚊が感染犬の血を吸うときにミクロフィラリアも蚊の中に侵入します。蚊の中でミクロフィラリアは感染子虫と呼ばれる段階まで成長します。感染子虫を体内にもっている蚊が犬の血を吸うときに、感染子虫が犬の体内に入ります。犬の中に入った感染子虫は、皮膚から筋肉や臓器の中に入っていく(組織)移行虫と呼ばれる段階へと成長します。移行虫は組織中で成長して最終的には血管に入り、心臓へと到達します。
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フィラリアの予防
実際のフィラリアの予防は、すでに体の中に入ったフィラリア(組織中の移行虫)を駆除する事を目的としています。
蚊に対する忌避剤やフィラリア(感染子虫)の侵入を防ぐものではありません。
そのため、定期的(一ヶ月に一回)な駆除が必要となります。
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予防の時期
犬の中に入った虫に対する薬を用いるので、予防期間は感染時期よりも一ヶ月ずれています。
感染期間とはフィラリア(感染子虫)が犬に入ってくると予想される時期の事です。たとえば東京の場合、蚊は一年中見かけます。けれどもミクロフィラリアが感染子虫に成長するのは5月から11月とされています。これは気温が関係しているようでいろいろな指標が用いられていますが、過去数年のデータと照らし合わせると、どの計算式を用いてもこの期間に当てはまっているようです。
基本は「5月中に犬に感染したフィラリア(感染子虫)を6月に駆除する」という考え方です。たとえば6月10日にフィラリアの薬を飲ませたとします。これは、その時点で組織中にいる(かもしれない)移行虫を駆除するという作業です。
6月中投薬後(この場合6月10日以降)に蚊に刺されれば、また感染子虫が侵入している可能性はあります。この時期の感染に対しては6月10日に使った薬は効果がありません。これは7月に飲ませる薬で駆除する事になります。
このように、順次過去一ヶ月間に感染して体内に存在するフィラリア(移行虫)を駆除していきます。
東京では感染期間が5月から11月ですので、実際に投薬する予防期間は6月から12月となります。
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注意点
フィラリアの予防薬(駆除薬)の使用にあたって、血液検査を必要とします。
これは、すでに心臓に寄生を認める場合に用いる事で、犬自身がショックを起こしてしまう可能性があるからです。毎年の投薬開始前(5月から6月)に一回検査を受ければ充分です。血液2〜3滴で判定できる検査キットを用います。検査キットの種類にもよりますが所要時間は10分前後です。
前年の薬が残っていて手元にある・病院以外で薬を手に入れた
このような場合、ほとんどの薬はそのまま使えますが、投薬前に検査だけは受けなければなりません。
また、その薬を病院に持参し獣医師に確認してから与えるようにしましょう。
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